[2024年版] Googleスプレッドシートで簡単QRコード一括作成術!

QRコードを作成するツールやオンラインのサービスはいくつかありますが、もし必要な QR コードの数が数十件以上あるとしたら、どうでしょう?

多くのQRコードを作成しようと思えば凄く手間がかかります。また大量のQRコードを手作業で作成することで、重複ミスを誘発することもあります。

印刷会社に発注する印刷物の場合は、バリアブル印刷・可変印刷といった技術を用いて対応します。バリアブル印刷については、以下の記事も併せてお読みください。

バリアブル印刷とは?事例・仕組み・費用・注意点を徹底解説

印刷会社に依頼するような量ではない、予算もないので、なんとか自分でできないものか。そんな状況で助けになるのが、Googleスプレッドシートです!

本記事ではGoogleスプレッドシートを使い、完全無料で、複数の異なるデータに対応する QRコードを一括で作成する方法を解説します。

GoogleシートでのQRコード一括作成には、2通りのやり方がある

一括QRコード化は、Google Chart API に image関数を組み合わせる方法、または「QR Code Generator」の Google シート拡張プラグインを使う方法があります。

異なる方法ですが、いずれもこの記事のガイドにしたがって設定するだけで簡単に大量 QR コードの生成が可能です。

以下に、それぞれの方式の特徴を整理しました。

Google Chart API + image関数簡単な関数のコピペだけで、で一括QRコード化を実現。ただし Chart API は現在非推奨であるため、今後の動作保証はされない
QR Code Generatorビジュアルで操作できるので IT リテラシーが低い人でも扱いやすい

詳細は以下で解説します。

方法その1:Google Chart API + image関数を使用するやり方

Googleスプレッドシートの機能である image 関数、一括でQRコードを作成する流れをステップバイステップで解説します。

1) Googleアカウントの作成

Googleスプレッドシートは無料で使えるサービスですが、まだお持ちでない場合、Googleアカウントをまず作成する必要があります。

アカウント作成方法は、以下のページを参考にしてください。

https://support.google.com/accounts/answer/27441?hl=ja

2) 空白のスプレッドシートを開く

空白のスプレッドシートを開きます。

このスプレッドシートに、QR コード化したい情報を入力していきます。

※スプレッドシートに必要事項を記入する前に、スプレッドシートの基本を整理します。

基本的にはExcelと同じですが、番地を見るときは列と行に注目します。

A2の場合は、A列の2行目を意味しています。B3の場合は、B列の3行目を意味します。

なぜ番地の把握が必要かというと、Image関数を使用するときに番地を指定する必要があるからです。

基本的にユーザーがImage関数で指定するのは番地とサイズだけなので、今は番地の読み方さえ覚えていたら問題はありません。

3) シートに QR コード化したい情報と関数を記入する

ここでは、QRコードを表示させたい「G6」セルに、以下の関数を入力します。

=IMAGE("http://chart.apis.google.com/chart?chs=200x200&cht=qr&chl=" & F6)

ここで cht=200×200 は生成するQRコードのサイズで、最後の F6 は QR コード化したい情報のセル番地を指しています。

基本的に、変更する箇所はサイズと番地しかないので、コピーアンドペーストしてから該当箇所だけ修正すれば問題はありません。

4) アクセス許可する

Google シート上で Google Chart API をはじめて利用するとき、エラーメッセージが表示されることがあります。

Googleスプレッドシート上に「アクセスを許可しますか?」の表示が出るので、それをクリックするだけで正常に使えるようになります。

5) QRコード生成セルをコピーし、他の情報も QR コード化

管理番号1番のQRコードが作成できたら、管理番号11番までドラッグしてコピーします。

このようにコピーしたら、それぞれのURLのQRコードが作成できます。

6) 生成された QRコードの画像を保存する

スプレッドシート上にはQRコードができましたが、あくまでシート上に描画されているだけなので、通常の WEB サイトのように右クリックしてもコードの画像をダウンロードは出来ません。

ここからは、作成したQRコードをダウンロードする方法を解説します。

QRコード1つずつ画像保存する方法

スプレッドシートのメニューバーから、ダウンロードをポイントし、「ウェブページ(,html)」をクリックします。

ダウンロード先のフォルダーに、以下のように圧縮された .zip ファイルが保存されます。

この zip ファイルを解凍してください。Windows の場合は「すべて展開」を選択、Mac はダブルクリックで解凍されます。

展開した不フォルダを開くと、以下のようなファイル構成になっています。

「シート1.html」をダブルクリックします。

次はQRコード上で右クリックします。

あとは「名前を付けて画像を保存」するだけです。

全ての QR コードをまとめて保存する方法

まとめて保存したい時は、[Ctrl]+[A]キーを押して全選択します。それからは[Ctrl]+[C]キーを押してコピーします。

コピーした内容は、Googleドキュメントにペーストしたら便利です。

作業をスムーズに進めるため、あらかじめGoogleドキュメントを開いておきます。

あとはGoogleドキュメントにペーストするだけです。

次はGoogleドキュメントのメニューバーから「ダウンロード」をポイントし、「ウェブページ(.html,zip)」をクリックします。

Windowsの場合は「ダウンロード」フォルダーに保存されます。

「無題のドキュメント.zip」というzipファイルが保存されましたので、先ほどを同じように解凍します。

「images」フォルダ内に、すべての QR コードが

こちらはimagesフォルダ内には、すべての QRコードが個別の画像ファイルとして格納されています。

※保存方法を解説しましたが、連番表示していても、時々順序がバラバラになることがあるみたいです。

そのため、保存したQRコードを一度スマートフォンのカメラで開いて確かめてください。

順番が正確な場合も、QRコードのファイル名は解りやすいように変更した方がいいです。

注意点:Google Chart API は Google 非推奨

この方法で使っている Google Chart API (IMAGE 関数の引数にしている、"http://chart.apis.google.com/chart?..." の部分)は、2012年にすでに google によりサポート終了となっており、動作が保証されていません。

https://developers-jp.googleblog.com/2012/05/api.html

そのため、Google Chart API を使わない、以下に示す方法も併せてお伝えしておきます。

方法その2: Googleシート拡張 "QR Code Generator" を使うやり方

「QR Code Generator」は、スプレッドシートに組み込むことができる Google Workspace 拡張機能(アドオン)です。

「QR Code Generator」は日本語化がされていないので、迷う人がいるかもしれません。

英語が苦手な方のために、動画を制作しました。本文の解説だけでは理解できない部分は、下記の動画を参考にしてください。

1)「QR Code Generator」拡張を Google シートにインストール

https://workspace.google.com/marketplace/app/qr_code_generator/771094986501

上記のURLにアクセスし、スプレッドシートにインストールします。

正しくインストールが完了したら、自動的にスプレッドシートに組み込まれます。

2) スプレッドシートに組み込まれているのか確認

スプレッドシートを開き、拡張機能をクリックします。

クリックしたら「QR Code Generator」という項目が見えるはずです。

見えていたら拡張機能は、スプレッドシートに組み込まれています。

次にすることは「QR Code Generator」を開くことですが、「open」をクリックしたら開きます。

3)「QR Code Generator」の設定


「QR Codes 」を選択し、「Save as Document」にチェックを入れます。

次は「Template」を選択しQRコードのレイアウトを選びます。


最後の「Settings」は何もしなくていいです。

次はQRコード化の方法を解説します。

4) QRコードの作成

再度タブを「QR Codes」に切り替えます。

次はQRコード化するURLを全て選択します。

そして赤色の「GENERATE」をクリックします。

数秒後に完了します。

完了したQRコードを見るときは、「GENERATE」の右横に配置されている「Open Document」をクリックします。

クリックしたらブラウザの新しいタブが自動的に表示され、QRコードが閲覧できます。

5) QR コードの画像を保存

メニューからダウンロードをポイントし、ウェブページ(.html, zip)をクリックします。

zipファイルでダウンロードされるので解凍します。

解凍後の図です。

imagesフォルダーを開くと、各画像が保存されていることがわかります。

注意:QR Code Generator の制約事項

無料で使えて便利な QR Code Generator ですが、弱点があります。

それは、無料版では一度に 20 件以内の QR コードしか生成できないということ。

また、生成速度も遅いため、大量の QR コードをさばかないといけない状況では、あまり実用的な選択肢ではないかもしれません。

最終アウトプットへの QR コード挿入

これまでのプロセスで生成したたくさんの QR コードを、メールや WEB サイト、SNS、印刷物などに挿入していきます。

ここは原則、手作業でやっていくことになります。出すべき情報と宛先、そして QR コードの内容の取り違えがないよう、十分に注意して作業を行なってください。

また、QR コードを印刷物に展開する際は、そのサイズや余白、周辺のデザインなど、特に注意をしていただくポイントが多くあります。

以下の記事もお読みになった上で、万全の対応を行なっていきましょう!

サイズ・余白は大丈夫?印刷会社が教える、失敗しないQRコード印刷のポイント

こんなときは、プロのバリアブル印刷屋へご相談を

大量 QR コードの生成は、一般的には特殊なツールを使ったり、業者に依頼することが必要な作業でした。

実は、無料の Google ツールだけで、このように簡単に QR コードの一括生成ができることがお分かりいただけたかと思います。

ただ、以下のようなケースでは、自力での一括生成は難しいと考えています。

  • データが数百件を超え、仕上げの部分の手作業でのハンドリングが困難
  • QRコードだけでなく、印刷物全体のデザインにもこだわりたい
  • 絶対に読み取りが失敗できない、重要な業務で使われる QR コードの生成・印刷

古くからバリアブル印刷に取り組んできた高山印刷では、数百万件を超えるような超大量データの一括 QR コード化・印刷も手掛けています。

決済などに変わる超重要な業務で使われる QR コードをお手伝いさせていただいており、読み取り不備がないよう、万全の対策をとっております。

ぜひご相談ください。

投稿者

東京営業所長 あいだ
東京営業所長 あいだ
1999年入社時は当時貴重なMacに触れたくてDTPを担当、その後本社地区の営業担当を経て、2005年からは東京営業所長。
バリアブル印刷には初代オンデマンド印刷機導入時より、20年近く携わっており、専門分野としてあれこれ知識を貯めました。
お客様からの課題解決のため、社内で知恵を絞って対応しています。

プライベートでは1人息子と父子キャンプを楽しんでいます。

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