バリアブル印刷とは?事例・仕組み・費用・注意点を徹底解説

バリアブル印刷とは?

バリアブル印刷(可変印刷)とは、通常の印刷物と違って、一枚一枚情報を変えた印刷物を作成できる仕組みのことです。

ハガキ等の宛名印刷やチケットのナンバリングは、一般的に目にするバリアブル印刷になります。

また、近年はWebシステムやアプリと一緒に使う事で、キャンペーン施策などの登録時に、手を煩わせずスムーズに登録してもらうために、個別のQRコードを印刷して配布するシーンも増えてきています。デジタル技術との組み合わせにより、どんどんと活用の幅が広がっているバリアブル印刷。

本記事では、バリアブル印刷がどのように実現できるのかの仕組みの解説や、一般的な印刷と比較してどのような費用感になるのか、また、バリアブル印刷を発注するときに気をつけなければいけない注意点を徹底的に解説しています。

バリアブル印刷の用途例

DMや招待状

DMやハガキの宛名印刷

日頃よく目にするDMやハガキの宛名は、代表的なバリアブル印刷です。宛名の下にある細長いバーコードはカスタマバーコードと言って、郵便局を使う場合、諸条件をクリアすると郵便代金が割引になるサービスに使用します。カスタマバーコードも宛先の住所と連動して、バリアブル印刷になっています。

イベント入場チケット

入場チケットのナンバリング・座席番号の印刷

イベントチケットに印刷してある個別のナンバリングもバリアブル印刷です。
チケットによっては単純な連番だけではなく、イベントホールの座席番号をそのまま印刷する場合や、座席によって金額が変わる、また数日間に渡るイベントで、日時が違うチケットなどもあります。

イベントチケット・入場券の詳細

オンラインWeb抽選券

抽選券や地域振興券(個別QRコードで専用サイト・アプリ等にアクセス)

システムに読み込ませるためのバリアブル印刷という切り口では、QRコードをスキャンできるモバイルデバイスの普及に伴い、より活用の幅が広がっています。
例えば、個別のQRコードが印刷されたショッピングモールの抽選参加券や特典サイトにアクセスするためのカードなどがあります。また最近では自治体の地域振興券で、従来のチケット冊子形式に代わって1枚のカードで配布するタイプも見られます。

オンライン・Web 抽選券の詳細

上記以外にも、アイデア次第で様々な活用方法があるのがバリアブル印刷です。ご興味のある方は、高山印刷のバリアブル印刷お客様事例も併せてご覧ください。

バリアブル印刷の仕組み

バリアブル印刷は通常の印刷と違い、デザインデータに加えてバリアブル印刷用の「データベース」が必要になります。

ナンバリングやユニークIDのバリアブル印刷の場合

Adobe Illustrator で作成したAiデータやPDFを、デザインデータとして準備します。

ナンバリングが連番の場合は開始番号と終了番号と印刷部数を通知すれば対応できます。

ユニークIDの場合は、バリアブル印刷用データが必要になります。その場合、デザインデータとバリアブル印刷用データの2つを入稿する必要があります。

デザインとバリアブルデータ

必要なデータ

  • デザインデータ(イラストレーター等で作成された固定部分のデータ)
  • エクセルやCSVで作成したバリアブル印刷用のデータベース

    豆知識
    単純な連番の場合はデータベースの作成・入稿は不要な場合が多いですが、
    その場合でも 00001~01000 のように開始と終了番号、桁数を通知するのが間違い防止になります。
    また、開始を1000からと指示される場合がありますが、その場合は1000枚だと終了が1999になります。
    2000を終了の番号としたい場合は1001が開始番号です。ご注意ください。

QRコードやバーコードのバリアブル印刷の場合

QRコードやバーコードをバリアブル印刷する場合、画像データではなく、データベースで準備してもらう場合がほとんどです。

印刷会社としては、画像データよりデータベースをいただく方が、ハンドリングが段違いに楽です。そのため、見積金額も変わります。

なお、一口にバーコードといってもたくさんの種類があります!バリアブル印刷に対応可能なバーコードの一覧については、こちらの記事をご覧ください。

バリアブル可変QRコード・バーコードの印刷

デザインとQRバリアブル印刷

印刷会社は2つのデータを専用ソフトやプログラムを使って合成して、バリアブル印刷をします。

バリアブル印刷発注時の注意点

デザインにおける可変箇所の扱い

あらかじめ、バリアブル印刷をするスペースをデザイン上で決めておく必要があります。

デザインや配置についての注意点は、以下の記事もご覧下さい。

要チェック!バリアブル印刷があるデザインデータ入稿の注意ポイント(デザイナー向け)

失敗しないQRコード印刷!サイズ・余白などの注意事項(QRコード制作者向け)

納品時の扱い

バリアブル印刷の場合、一括納品ではなく、用途に応じて複雑な納品プロセスが発生することもあります。

例えば、各店舗にあらかじめ決められたIDを納品する等、通常の印刷物と比べ、複雑になります。
ナンバリングやIDについての納品時の順序指定や、店舗等に仕分けして納品するなどの必要がある場合は、発注タイミングで印刷会社に相談しておきましょう。

入稿後では対応できなかったり、追加金額が発生したりする可能性があります。

バリアブル印刷の費用

一般的な印刷との比較

工程が通常の印刷に比べて多く、また、1枚1枚の印刷物に意味があるため、印刷部数に過不足があってはならないのがバリアブル印刷。

専門知識も必要となり、そもそもバリアブル印刷を扱うことができない印刷会社も多くあります。そのような状況から、どうしても通常の印刷物よりコストが高くなってしまいます。

作成する印刷物の仕様にもよりますが、通常の印刷物より5割から仕様によっては10割ほど高くなることも考えられます。

一般的なチケットへのバリアブル印刷を想定した費用感については、こちらのページも参考にしてみてください。

--> バリアブル印刷つき チケット・入場券の価格例

コスト増の回避策

ただし、印刷物の用途によっては回避策もあります!

一般的に、印刷サイズが大きいほどバリアブル印刷のコストが上がります。そのため、以下のような代替案でコストを抑えることがよくあります。

  • 印刷物を用途別に2つに分けてバリアブル部分についてのみ小さいサイズの印刷物への変更
  • 大きいサイズの印刷物に対して、可変部のみシールなどで代用

当社では、お客様の用途をお伺いしたうえで、より適した方法を提案させていただいています。

バリアブル印刷を発注する印刷会社の選び方

様々な案件への実績があること

バリアブル印刷の場合、デザインデータだけではなく、バリアブル印刷用のIDやURL・データベースを準備する必要があります。バリアブルデータとあわせて、デザイン上にどのようにデータを配置・表示するかも考えていく必要があります。

単純なナンバリングでしたら相談等しなくても対応が出来る印刷会社も多いと思います。

しかし、バリアブル印刷の箇所が多かったり条件が複雑になる場合や、ランダムデータ自体の作成が自社では準備できないとなると、バリアブル印刷を得意分野とする印刷会社ではないと対応が難しくなります。

バリアブル印刷が得意な印刷会社は、過去の受注実績から、バリアブル印刷物の使用目的の想定がある程度出来ています。

実績からアドバイスすることも可能で、依頼者の不安や不明点を解消してくれるでしょう。

可変印刷データを扱うプログラム開発能力があること

また、印刷会社が所有しているバリアブル印刷の専用ソフトだけでは対応できない複雑な要件でも、カスタマイズしたプログラムを使って対応できる場合もあります。そのようなプログラムを扱うことができる印刷会社かどうかもチェックポイントです。

当社高山印刷はバリアブル印刷を主力としており、バリアブル印刷技術・ノウハウには自信があります。

また、汎用のバリアブル印刷専用ソフトだけでは対応できないようなカスタマイズしたバリアブル印刷も、多数の実績があります。

どのようなことでも、お気軽にご相談ください!

投稿者

東京営業所長 あいだ
東京営業所長 あいだ
1999年入社時は当時貴重なMacに触れたくてDTPを担当、その後本社地区の営業担当を経て、2005年からは東京営業所長。
バリアブル印刷には初代オンデマンド印刷機導入時より、20年近く携わっており、専門分野としてあれこれ知識を貯めました。
お客様からの課題解決のため、社内で知恵を絞って対応しています。

プライベートでは1人息子と父子キャンプを楽しんでいます。
(701)

高山印刷メルマガを購読しませんか?

紙×デジタルを活用した最新販促事例や、バリアブル印刷の豆知識をご紹介します。新たな企画のアイディアにご利用ください!

配信は月1回、いつでも解除可能です!個人情報保護方針を確認の上、ご登録ください。